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※話が繋がらないので、あらすじから載せています。
タイトルのa r m o n i o s o というのは、良く調和して、という音楽用語です。
さて、本格始動致しました、最高の旋律 第一話です♪
そのままだと短編と長編がまざっているので、長編を見るときは
右横のカテゴリーから「最高の旋律」をクリックしていただけると
長編だけまとまるので、読みやすいかと思います。
色々間違いあるかもしれませんので、
もし何か訂正箇所ありましたら、遠慮無く突っ込んでください!
それでは、楽しんで頂ければ幸いです。
―――――どこにでもありそうな、ごく普通の学校がある。
さほど学力が高い訳でもなんでもない。
強いて言えば、音楽科がある…それくらいが、ここの長所だった。
…今日、この「星華学園」の2年C組に、1人の転校生が姿を現した。
最高の旋律
-The best melody-
彼女の名前はアクアと言う。
転校してきたのは、もちろん音楽科の方だった。
見慣れないアクアが教室に入っていくと、多少のざわめきが起こった。
…転校生など、久しぶりだったのだ。
HRで軽く自己紹介をして席につくと、
クラスのほぼ全員の視線がアクアに集中した。
-アクアはその視線をちらりと見て、本能的に察知した。
人間というのは分かりやすい。
思っていることが、すぐ表情に出るのだから。
(妙な感じ…いじめでも、あるんだろうか)
そう思っていると早速、アクアに標的をつけた3人が、彼女に近づいてきた。
「…ねぇ。何処から来たの?」
一見普通なこの質問に、アクアは驚いた。
…HRでも言っていたし、先ほども何人かの質問に答えていたのを
こいつらは しっかり聞いていたではないか。
「…さっきも言ったけど…」
「ひっどーい!教えもしてくれないんだ、最低ー」
「な…っ」
「ホントホント」
「もう一回答えてくれたっていいじゃんねー」
律儀にも再度答えようとしたアクアに口をはさむ隙も与えず、
ここぞとばかりに避難しだす。
あまりの酷さにアクアが言葉を無くしていると、別の方からまた二人、人がやって来た。
「はいはい、そこまで!…ったく、またかよお前等」
「転校初日から災難だ…大丈夫?」
「あ、うん。ありがとう」
どうやらこの二人は、アクアの味方をしてくれるらしい。
ほっとしたのもつかの間、さらに後ろからもう一人出てきて、
怒ったような呆れた様な声を出す。
「…まぁたそんなくだらない事して。
ハッキリ言って、貴方達の方が最低だと思うわよ?」
その言葉、出現に圧倒されたのか、3人はこう言い残し、去っていった。
「…桃香達に言われちゃ、言い返せないよ…」
その日の休み時間、アクアは思い切って、先ほど彼女を助けてくれた
3人の所へ行き、話しかけた。
「あの…さっきはホントにありがとう。助かったよ」
「良いって良いって。いつもの事だから。
…あ、俺等 自己紹介まだじゃん」
最初に言い争いを止めてくれた人がそう言って、全員の紹介をしてくれる。
「まず、俺がヨルウェル・ヘルブンドゥグ…まぁヨーウェで。
専攻楽器はトランペットとチェロ、バリトンサックス。宜しくなっ」
「よろしくおねがいしまーす」
アクアが頭をあげるのを確認してから、ヨーウェは隣に座っている人を指差した。
アクアに大丈夫?と言ってくれた人だ。
「で、こいつが季空 架絽(キソラ カロ)。
専攻はピアノ、バクスラリネット、ユーフォニウムの3つ…だったよな?」
「うん、間違いないよ。どうぞ、お見知りおきを」
架絽と呼ばれた男性は、にこりと笑ってそう答えた。
話によると、彼は相当物知りで、分からないことはあるとか無いとか。
「それで、最後に。」
一息ついてからヨーウェは続ける。最後に追い払ってくれた人だ。
「こいつが望月 桃香(モチヅキ トウカ)。
専攻はヴァイオリンとテナーサックス、それとハープ…っていうか」
「っていうか?」
アクアが聞き返すと、代わりに架絽が答えた。
「桃香はこの学園で一番人気のマドンナなんだよv」
「ち、違うわよっ!…あ、桃香で良いわ…宜しくね、アクアちゃん」
ここでやっと桃香の口が開いた。…が、かなり動揺している。
その様子がおかしくて、緊張していたはずのアクアからも
思わず笑みがこぼれる。
「…ここで言うと桃香がうるさいだろ。後で話してやるよ」
隣でヨーウェがこっそり耳打ちした。
アクアはまだ少し笑いながら、それに頷いた。
…この人たちとは、上手くやっていけそうな気がする。
「うん、あたしもアクアで良いよっ。こちらこそ!」
…こうして、アクアの転校1日目は過ぎていった。
-next*