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お久しぶりです・・・なんて、決まり切った挨拶はもう無しにして。
今回お届け致しますのは、遠い約束 です。
☆アクア☆ピッチ☆さま、はれかぜさまの共演を書かせて頂きました!
ヨーウェさまと うーるるさまの、自らを探してとセットで考えていたものです。
…そのせいでしょうか、少し 展開が似ていますね…苦笑
あと、悲恋風味に仕上がったかもしれません…
詳しくはご覧ください←
今思ったのですが、長編のメインメンバー4人は、みんな一人称が違うんですね。
口調は被らないように気をつけて選ばせて頂いたのですが、
一人称はあまり意識していなかったので、びっくりでした。
皆様 個性的な方ばかりなんですね。素晴らしいですv
話が別方向に飛びましたが…
お楽しみ頂ければ嬉しいです*
早く、早く行かなきゃ…
アクアは走り続けていた。
…急がないと、また遠くなってしまう…。
走りに走って彼女は小高い丘の上に止まる。
そこにいたのは晴風。
「…アクア。」
まるで待ちわびていた様な言い方。
彼女は幾らかほっとする。
「良かった、まだ居た…」
「どうした?」
「そっちこそどうしたの?
突然しばらくの間さよなら、なんて…」
「…俺、当分ここには戻ってこないから。」
「何のこと?」
「そのままだよ。
…最後にどうしても、会いたかったんだ。」
言いながら彼は歩き出している。
今思えば、その言葉が彼なりの告白だったのだ。
「…待って!」
晴風が足を止める。
ためらいもせずに、アクアは言った。
「あたしも、好きなの!」
突然の告白返しに、晴風が驚いて振り返る。
そうして見たアクアの瞳に、彼はとてつもない美しさを感じてしまっていた。
…そう。彼女は、泣けないのではなかったか。
「…一緒に行ったら駄目?
あたしじゃ…駄目 なの?」
「…駄目な訳ないだろ。」
「え…。」
晴風がもう一度戻ってくる。
「…最初から、迷ってなんかいない。俺も好きだよ…でもな。」
彼は一息ついて言う。
「道を外れるのは、俺だけで充分だよ。」
「何で…っ」
「いつかは絶対戻ってくるから。…待っててくれ」
そう言い去っていった、彼の最後の言葉。
アクアにとって、2人を繋ぐたったひとつの希望と理由。
…それだけが、彼女の心にしっかりと刻みこまれていた。
-fin*